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正絹・絹糸・お蚕様のお話。

投稿日時:2008/06/02(月) 18:32rss

 皆様、ご存知だとは思いますが、絹糸はお蚕が吐き出した貴重な長繊維です。
そして、お蚕様は蛾の仲間です。この辺りまでは聞いたりしたことはあると思います。
繭・成虫

 長繊維と呼ばれるぐらいですから、相当長いのですが、何メートルぐらいだと思いますか?蛾の幼虫が作るのですから、あまり手間が掛からないように思いますか?
 絹糸の一本ってどのくらい細いか知ってますか?そもそも、養蚕用のお蚕とは、どんないきものでしょうか。

お蚕・脱皮
 先ず、絹糸の長さですが、100メートル単位ではなく、種類によっても差はありますが、1,000~2,500メートルの長さがあります。しかも、途中で途切れることはなく、驚くべき細さながら、一本の繋がった糸状になっています。
 続いて、糸の細さですが、これも種類によって差はあるものの、吃驚の細さです。
長い糸のどこを計って、何ミリという単位では説明できないので、昔のデニールという単位で説明します。
 重さを基本にした、秤での取引に使われてきた方法で、現在国際取引の単位には使いませんが、現場ではまだ良く使用されています。(因みに、現在推奨されている単位はデシテックス)
 9,000メートルで1グラムの重さがある絹糸を1デーニールと言います。
もちろん、そんなに細い糸は想像つかないでしょうが、何と!絹糸一本は大体3.5デニールです。細いでしょう!薄暗ければ判別が付かないほどです。
21デニールというと、6本の絹糸を束ねた計算になります。それを、さらに束ねていき、織物で使用するときには200・600・1200デニールなど、撚糸をした糸として使用します。

繭・なりかけ
 一本でそれほど細い繊維を形成するのは、一定の強度が無ければなりません。
その強い繊維を何本も束ねるのですから、強い生地になりますし、薄い繊細な生地を作ることの出来る天然繊維になります。
 
 蛾の仲間と表現したのは、飛べない蛾だからです。人間が世話をしないと飛ぶどころか、まともに移動もできないので、餌を確保したり、蚕床になる場所を見つたり、交尾をしたり、とにかく、全部人間任せです。(野生から養殖にしだした頃は飛んでいたらしい、3千年くらい前。)
回転まぶし
 種の存続自体を私達に委ねた生物です。絹糸を提供・卵を産むそのことで生きること自体を依存しながら、存続している種です。他の、養殖生物とは、人間との相互・信頼関係の深さが違います。

 そして、吐き出す繊維は素晴らしい強度と繊細さを兼ね備えているのに、お蚕自体は非常にデリケートで弱い生き物です。感染病のように病気が一頭でも起きれば、その舎は全滅になることもあります。極端に暑いのも・寒いのもだめです。清潔にすることも忘れてはいけません。育てている何週間かの間に、蚕になる準備段階で餌を食べなくなる瞬間がきます。その、少し前には十分過ぎるほど餌を与えなければなりません、それは、農家の方が毎日・一日中お蚕と付き合っていなければそのベストタイミングを見極めることは難しく、栄養が足りないお蚕は糸を吐き出せずに溶けていきます。
 
 この添付写真のお蚕は私が、春子(はるこ)として育てたものでしたが、やはり、お蚕まで無事に育ったのは半分もいなかったかも。農家の方々はもちろん上手に育てるのですが、100パーセントの成功率は無いでしょう。生き物ですからね。

 様々な化学繊維が出てくるまで絶対的な存在の糸(何千年も最高級品)でありましたし、現在でも、糸の王様といっても過言ではない機能性・特質製・そして上品な光沢感はシルクとしてのブランドを確立して、世界中の人々に愛されているのが何よりの証でしょう。

正絹として、日本人に愛された、糸シルクです。

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お知らせ

ブログ拝見しました。
代表取締社長 長谷川博紀様私は蚕の卵、幼虫どちらか無料で分けて下さる方を探しております。又蚕は養蚕以外でも商売になります。商売としは価格は安いですが蚕の幼虫、サナギで商売になります。幼虫は100匹で1000円位しかなりませんが、それでも良いならアイデア売ります。又文章でアイデアを無断で使用しないように約束事を紙面で交わさせて頂いております。合意して頂いてからアイデアの提供になります。宜しければご連絡下さい。

Posted by 木村 at 2010/02/11 20:17:00 PASS:
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会社概要

当社は明治十年半農半工の形式で始まりました。初代の森島秀により力織機による御召の製織を研究、成功を見、以来各工程を逐次機械化し現在のような設備と方法になりました。...

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個人プロフィール

 1971年三重県四日市市生まれ、結婚を機に群馬県桐生市に。織物のまち桐生で、機屋と呼ばれる会社を引き継ぐ。織物・染色に関する体験資料館、織物参考館“紫”ゆかりを運営する傍ら、御召機屋として、八丁撚糸による伝統工芸技術完全復活を2004年に宣言。きりゅうまちづくり活動に参加、桐生織物協同組合・...

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