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後世に残せるものは残したい!でも、どうやって?

投稿日時:2008/05/27(火) 23:22rss

 
 当社では、織物産業に関わったものとして、また、一過性ではあったが、かなり利益を享受した会社として、後世に日本の織物技術・文化、そしてそれに関連する道具・建物を残し、後世に伝えていく為に織物参考館を運営している。
参考館内部

 当たり前の事だが、博物館運営は収益性が無い。短期的にブームがあったり、一部の大規模なスポンサー(または、公的資金)が受けられている施設は磐石なのかもしれないが、長期的な展望で見れば、殆どの博物館が単体での収益性を確保することは容易ではないと考えます。
 『そんな事は無い!コンテンツを充実して、アイデアをひねれば収益性はある!』
と、もしお考えの方が居れば、試してみてください。
 銀行に行って、『今度、新規事業で博物館を作るので、お金を貸してください。』
と、頼んでみてください、かなりの高確率で断られると思います。
参考館 外観


 では、それでも何故当社は民間でそれを行うのか、企業が行える社会貢献としての位置づけでもあり、その分野でお世話になり、利益を得た事がある責任でもあり、何より、これを残さなければならないと信じぬく信念にあると思います。
 大企業のPR的な位置づけであれば、運営資金も潤沢ですが、小さな企業がその資金を母体から賄っていくのは本当に大変な事です。
 非常にありがたい事に、公的な機関が趣旨を理解して、設立・運営を継続できている理想的なケースも見られます。
 しかし、その反面、その趣旨が忘れ去られるケースも結構あります。

 民間で運営していたものを継承したものの、ソフト面の運営が賄えず自然消滅するケース。
 一部で盛り上がり、大々的に資金を投入したものの、完全に赤字運営になり、世論の批判対象となり閉鎖するケース。
 開館する前から、収益見込みが無く、お披露目も出来ないケース。
などありますが、もし公的資金で運営するには、収益性が無くても世論・市民の意見が賛同していなければ成立しないということになります。

 そして、何よりも展示ではなく、その文化を生きたまま保存すること重要だと考えます。(その理念から、織物博物館ではなく、織物参考館と名称)
桐生式 高機

 織物道具を展示しているだけでは、その技術・文化を継承することは出来ないし、なにより来館者がつまらないと感じるはずです。
 工場 内部
 
 そこで、作り続けられ、発信され続けなければその文化は無くなってしまったも同然です。
 つまり、そのニッチな分野に携わった者が、運営・人的な部分を担当しなければ成立しないのです。補助的に公的な応援があることは良いことだと思いますが、全面的になれば、運営の権利が無くなり、継続的な指揮は取れないでしょう。

藍染め 子供達
 お蔭様で、当館も開館から30年をもうすぐ迎えます。
紆余曲折ありましたが、やっぱり、来館者の満足した笑顔・子供達の歓声・そして励まし、応援のお言葉が何よりの励みになり、運営側の原動力となっています。
手織り 体験中

 長々となりましたが、目を見張るようなオブジェも、おしゃれなティーラウンジも、ガラス張りの休憩室もありませんが、産業・技術が根付いたそのままの場所で、長期間使われている設備・建物、現役の工場とともに、生きている織物を見学できる。織物参考館“紫”に、気軽にお出かけください。
売店 外観
  
藍染 体験
 観光気分で結構です。趣旨はまじめですが『面白かった!』と言わせてみせます。
来館者満足度には自身があります。
 
織物参考館“紫”ゆかり http://www.morihide.co.jp/senkyakubanrai/
森秀織物株式会社 http://www.morihide.co.jp/


 
 
 
 

 

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会社概要

当社は明治十年半農半工の形式で始まりました。初代の森島秀により力織機による御召の製織を研究、成功を見、以来各工程を逐次機械化し現在のような設備と方法になりました。...

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個人プロフィール

 1971年三重県四日市市生まれ、結婚を機に群馬県桐生市に。織物のまち桐生で、機屋と呼ばれる会社を引き継ぐ。織物・染色に関する体験資料館、織物参考館“紫”ゆかりを運営する傍ら、御召機屋として、八丁撚糸による伝統工芸技術完全復活を2004年に宣言。きりゅうまちづくり活動に参加、桐生織物協同組合・...

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