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御召織発祥の地にて、後世に残せる事、今しか語れない事 日本の織物・着物文化を次世代に伝える! 森秀五代目 長谷川 博紀
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2008年07月11日(金)更新
先染め織物の生産・染色、糸準備について
桐生の織物(桐生織)は、主に先染め先練りの織物です。
必要な色糸を織物を織る前に染めることで、織物技術により柄を表現することができます。
後染めで、表現されたもので皆さんが一番に思いつくのは友禅染めではないでしょうか?発色が良く人の手によりキャンバスに絵を書くように表現できます。
Tシャツなどもプリントされていますので後染めになります。無地などの生地を使用するので汎用性があり、在庫管理もしやすい後染めの方が有利なことは多いのですが、何故先染めがあるのでしょうか。
どちらの技術も優れた歴史と伝統があり、総合的にどちらが良いと判断されるものではありませんが、先染めの織物は、糸染めの為、堅牢度(色落ちなどが少ない。生地が丈夫になる)が優れている点・深みのある柄が表現できる(これはそれぞれの主観です)点などがあります。
それでは、当社の織物カレンダーの糸を染める工程を紹介します。
先ず、着物など絹糸を使う場合とカレンダーのように、アセテート・レーヨンなどの糸を使う場合では、染織方法が違います。
化繊の糸の場合には、チーズと呼ばれる状態で出荷されてくるのでそれをかせ染めするために、かせ上げという作業を行います。
染色機械に入れます、そのまま絵の具を入れるように染めるのではなく、先ず斑無く染まるように、糸を馴染ませます。ソーピング(糸の汚れなどを落とします)糊を付けることもします。
高圧染色機械を洗浄しています。色を変える毎に洗浄します。
大した温度では無さそうですが・・・蓋を閉めて圧力をかけると二気圧で数百度です。
万が一、作業中に蓋が壊れたり・間違えて開ければ・・・・爆発事故になります。
染め上がった糸です。
これで終わりではありません、次は糸をいじめないように乾かしていきます。
風が強いと、糸が絡まってしまい痛みます。雨が降ると濡れて斑ができます。
あまり日差しが強くても色が変色してしまいます。
つまり毎日作業する事はできないということです。
織物カレンダーに使っている糸の色数は100色ぐらいです。
これを、またチーズと呼ばれる状態に糸繰りします。
そして、初めて織物織機に糸が織り込まれていきます。
かなり、大雑把な紹介ですが、日々こういう作業をへて色糸が作られています。
絹糸の場合には、職人が手染めで染めることが多いです。
森秀織物 http://www.morihide.co.jp/