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御召織発祥の地にて、後世に残せる事、今しか語れない事 日本の織物・着物文化を次世代に伝える! 森秀五代目 長谷川 博紀
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2008年07月08日(火)更新
桐生織・御召おめしのこれから・・・
おめしとは、そもそも関が原の合戦時にも徳川方に付いた桐生の産地より将軍家に献上されていた着物の総称で、将軍家で好んでおめしになっている、または、お召し物との由来から御召と名前が付きました。
おめしとは、しぼがある着物を指すと勘違いされていますが、元々は桐生から江戸の将軍様に送られている着物を指します。
縮緬のしぼとは違い、シャリ感があり、丈夫でお手入れがしやすく、先染めの糸を使って織るので、堅牢度もあり絹の光沢も上品になります。
大正ロマンの頃から、全国的に桐生以外でも織られるようになり、昭和の初期の頃には爆発的に売れたそうです。しかし、ブームが大きくなりすぎ粗悪な偽物もたくさん出回るようになって御召自体の評価が下がりやがて着物文化の衰退とともに作られなくなってしまいました。
当社は機屋(織物業)として創業して一時期栄光を極めた時代がありました。
しかしながら、そういった時代が永遠に続くわけではなく、今、本当に経営的には先行きが見えない時です。
そんな時だからこそ、もう最後かもしれない本物の桐生で織られる御召を生産してお客様にお届けしていますが、それも何時まで・・・
実際に経営コンサルタントのような方が見れば、『早く不採算な事業を捨てなさい』と言われる事でしょう。
経営的に切り捨てないまでも、そう何年も先の事ではなく、このままでは作れなくなる可能性があります。
職人がいなくなる。材料が手に入らない。とにかく手が掛かる工程で作られてもあまり利益に繋がらない。などなどありますが・・・企業として一番の理由は、利益以前の問題で売れなくなれば止めざるを得ないと言う事です。
いくら良いものを伝統に従い作り・販売しても売れなくなれば作りようがなく、もちろん在庫をするほどの余力も無くなっていきます。
ライフスタイルの変化や、消費者の購買力が無くなったなど色々ありますが、それでも本当の着物という文化をなくしてはいけない!と、踏みとどまっています。
ただ、織物・生地・着物・帯・洋服などの形をしていれば安いものが一番ですか?
だれが、どこで、だれに作ったのかも判らないものが日本の織物文化でも構わないですか?でたらめな作り方をしても安ければ構わないですか?
外国の原料を使うことも、外国で生産することも、その産地で作られていないのにそのブランドタグが付いて販売することも、和文化では、やっぱりおかしい!と思います。どれだけ外国の技術が優れていても、コストが安くても、それは日本産地の消滅と、文化技術の断絶を意味します。
でもそれは、購入者が安いものを、安いものをと求め続けた結果に裏づけされた生産背景です。大きな企業が選択する道です。
私達、中小企業はお客様の目線で、顔を合わせて地道に商売をしています。
直接お話するお客様を裏切ることはできません。
大企業のように、大量生産でコストを下げる事も、事業を転換することも容易ではありません。
今の時代に必要とされないのならひっそりと消えていくのみです。
そういった看板をおろした中小企業の中にはなんとも素晴らしいものづくりをしていた会社が多いことか、また、何百年も続いた歴史の技が消えていったことか。
私も考える時があります。正直に商売をしていくことの大変さ、お客様を裏切らずに利益を上げることの難しさを、それでも、私は企業自体の究極の目的は社会のなかでの役割分担・存在する意義だと思っています。
利益を上げなければ存続できないのですが、それは目的のために許された範囲での手段や得るものだと考えています。
そう考えない経営者は、許された範疇を飛び出し、偽装や犯罪にまでいたってしまうのではないでしょうか。
私達中小企業の経営がどこまで続くかは、経営者の手腕にもかかっていますし、お客様の心変わりにも大いに影響されます。
ものづくりの精神をかって応援いただいているお客様の為にもこれからも頑張ってまいりたいと考えております。
そんなことを日々考えながら、織物・おめしを作り、販売しております。
後、どのくらい織り続けられるのか誰にもわかりませんが、もし、ご興味があれば早めにご検討をお願いします。
一度失った技術・環境は、そう簡単には取り返せないのですから。
森秀織物 http://www.morihide.co.jp/
織物参考館“紫”ゆかり http://www.morihide.co.jp/yukariNEW/indexYK.html
織物体験・染色体験 http://www.morihide.co.jp/senkyakubanrai/index.html
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