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御召織発祥の地にて、後世に残せる事、今しか語れない事 日本の織物・着物文化を次世代に伝える! 森秀五代目 長谷川 博紀
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2008年07月12日(土)更新
織物参考館 綿・藍・桑。桐生川の夕焼け
あまりにも暑いので、心なしか綿が元気が無くなってきました。雑草は元気なのですが・・
藍草は、井戸水のそばで育てているのであまり暑さの影響は受けていないようです。
桑の木は、本当に逞しいですね、毛虫がつくのが少々難点ですが、よっぽど葉っぱがおいしいのでしょう。
本日の織物参考館への、来館者は松竹衣装さんでした。
織物の研修ということでご来館されました、当社も歌舞伎衣装を織り、納品させていただいております。
織物の歴史研修・手織り体験・染物体験を堪能されていきました。
非常に暑い日だったので汗をかいての研修ご苦労さまでした。そして、ご来館ありがとうございました。
ところで夕方、桐生川を車で通りかかりました。
夕焼けの山があまりにも綺麗なので、車を止めて子供たちと暫し遊んでしまいました。
二日前に、悲しい事故があったばかりとは思えないぐらい静かで、長閑な風景です。
本当に、綺麗な夕日でした。
2008年07月11日(金)更新
先染め織物の生産・染色、糸準備について
桐生の織物(桐生織)は、主に先染め先練りの織物です。
必要な色糸を織物を織る前に染めることで、織物技術により柄を表現することができます。
後染めで、表現されたもので皆さんが一番に思いつくのは友禅染めではないでしょうか?発色が良く人の手によりキャンバスに絵を書くように表現できます。
Tシャツなどもプリントされていますので後染めになります。無地などの生地を使用するので汎用性があり、在庫管理もしやすい後染めの方が有利なことは多いのですが、何故先染めがあるのでしょうか。
どちらの技術も優れた歴史と伝統があり、総合的にどちらが良いと判断されるものではありませんが、先染めの織物は、糸染めの為、堅牢度(色落ちなどが少ない。生地が丈夫になる)が優れている点・深みのある柄が表現できる(これはそれぞれの主観です)点などがあります。
それでは、当社の織物カレンダーの糸を染める工程を紹介します。
先ず、着物など絹糸を使う場合とカレンダーのように、アセテート・レーヨンなどの糸を使う場合では、染織方法が違います。
化繊の糸の場合には、チーズと呼ばれる状態で出荷されてくるのでそれをかせ染めするために、かせ上げという作業を行います。
染色機械に入れます、そのまま絵の具を入れるように染めるのではなく、先ず斑無く染まるように、糸を馴染ませます。ソーピング(糸の汚れなどを落とします)糊を付けることもします。
高圧染色機械を洗浄しています。色を変える毎に洗浄します。
大した温度では無さそうですが・・・蓋を閉めて圧力をかけると二気圧で数百度です。
万が一、作業中に蓋が壊れたり・間違えて開ければ・・・・爆発事故になります。
染め上がった糸です。
これで終わりではありません、次は糸をいじめないように乾かしていきます。
風が強いと、糸が絡まってしまい痛みます。雨が降ると濡れて斑ができます。
あまり日差しが強くても色が変色してしまいます。
つまり毎日作業する事はできないということです。
織物カレンダーに使っている糸の色数は100色ぐらいです。
これを、またチーズと呼ばれる状態に糸繰りします。
そして、初めて織物織機に糸が織り込まれていきます。
かなり、大雑把な紹介ですが、日々こういう作業をへて色糸が作られています。
絹糸の場合には、職人が手染めで染めることが多いです。
森秀織物 http://www.morihide.co.jp/
2008年07月10日(木)更新
綿 経過報告 とにかく暑いですね。七夕はどう過ごしましたか?
本当に、蒸し暑い日が続きますね。
なにか、綿もここまで暑いとぐったりしているような・・・
ここまで気温が高いと成長もできないかもしれません。
一番手の綿も少々お疲れ気味です。
ところで、七夕の日はいかがお過ごしでしたか?
夜の八時から、電気を消してキャンドルや月明かりで過ごすという全国的なイベントがありまして、我が家でも、夜に電気を消して子供達と遊んでいました。
ロウソクだけでは暑いので、ポキッと折ると光るライトを購入して子供達は大喜びで遊んでおりました。
これだけで、どれだけエネルギーの無駄遣いに貢献できたかはわかりませんが、子供たちとの触れ合いの時間にはなりました。
月ほたる http://www.jc-kankyou.jp/
2008年07月08日(火)更新
桐生織・御召おめしのこれから・・・
おめしとは、そもそも関が原の合戦時にも徳川方に付いた桐生の産地より将軍家に献上されていた着物の総称で、将軍家で好んでおめしになっている、または、お召し物との由来から御召と名前が付きました。
おめしとは、しぼがある着物を指すと勘違いされていますが、元々は桐生から江戸の将軍様に送られている着物を指します。
縮緬のしぼとは違い、シャリ感があり、丈夫でお手入れがしやすく、先染めの糸を使って織るので、堅牢度もあり絹の光沢も上品になります。
大正ロマンの頃から、全国的に桐生以外でも織られるようになり、昭和の初期の頃には爆発的に売れたそうです。しかし、ブームが大きくなりすぎ粗悪な偽物もたくさん出回るようになって御召自体の評価が下がりやがて着物文化の衰退とともに作られなくなってしまいました。
当社は機屋(織物業)として創業して一時期栄光を極めた時代がありました。
しかしながら、そういった時代が永遠に続くわけではなく、今、本当に経営的には先行きが見えない時です。
そんな時だからこそ、もう最後かもしれない本物の桐生で織られる御召を生産してお客様にお届けしていますが、それも何時まで・・・
実際に経営コンサルタントのような方が見れば、『早く不採算な事業を捨てなさい』と言われる事でしょう。
経営的に切り捨てないまでも、そう何年も先の事ではなく、このままでは作れなくなる可能性があります。
職人がいなくなる。材料が手に入らない。とにかく手が掛かる工程で作られてもあまり利益に繋がらない。などなどありますが・・・企業として一番の理由は、利益以前の問題で売れなくなれば止めざるを得ないと言う事です。
いくら良いものを伝統に従い作り・販売しても売れなくなれば作りようがなく、もちろん在庫をするほどの余力も無くなっていきます。
ライフスタイルの変化や、消費者の購買力が無くなったなど色々ありますが、それでも本当の着物という文化をなくしてはいけない!と、踏みとどまっています。
ただ、織物・生地・着物・帯・洋服などの形をしていれば安いものが一番ですか?
だれが、どこで、だれに作ったのかも判らないものが日本の織物文化でも構わないですか?でたらめな作り方をしても安ければ構わないですか?
外国の原料を使うことも、外国で生産することも、その産地で作られていないのにそのブランドタグが付いて販売することも、和文化では、やっぱりおかしい!と思います。どれだけ外国の技術が優れていても、コストが安くても、それは日本産地の消滅と、文化技術の断絶を意味します。
でもそれは、購入者が安いものを、安いものをと求め続けた結果に裏づけされた生産背景です。大きな企業が選択する道です。
私達、中小企業はお客様の目線で、顔を合わせて地道に商売をしています。
直接お話するお客様を裏切ることはできません。
大企業のように、大量生産でコストを下げる事も、事業を転換することも容易ではありません。
今の時代に必要とされないのならひっそりと消えていくのみです。
そういった看板をおろした中小企業の中にはなんとも素晴らしいものづくりをしていた会社が多いことか、また、何百年も続いた歴史の技が消えていったことか。
私も考える時があります。正直に商売をしていくことの大変さ、お客様を裏切らずに利益を上げることの難しさを、それでも、私は企業自体の究極の目的は社会のなかでの役割分担・存在する意義だと思っています。
利益を上げなければ存続できないのですが、それは目的のために許された範囲での手段や得るものだと考えています。
そう考えない経営者は、許された範疇を飛び出し、偽装や犯罪にまでいたってしまうのではないでしょうか。
私達中小企業の経営がどこまで続くかは、経営者の手腕にもかかっていますし、お客様の心変わりにも大いに影響されます。
ものづくりの精神をかって応援いただいているお客様の為にもこれからも頑張ってまいりたいと考えております。
そんなことを日々考えながら、織物・おめしを作り、販売しております。
後、どのくらい織り続けられるのか誰にもわかりませんが、もし、ご興味があれば早めにご検討をお願いします。
一度失った技術・環境は、そう簡単には取り返せないのですから。
森秀織物 http://www.morihide.co.jp/
織物参考館“紫”ゆかり http://www.morihide.co.jp/yukariNEW/indexYK.html
織物体験・染色体験 http://www.morihide.co.jp/senkyakubanrai/index.html
2008年07月07日(月)更新
綿の経過報告・ナツコイ見てますか?桐生に来ませんか?
参考館の綿も本格的な夏を迎えました。
桐生の蛍も短い生涯を全うしましたが、私達の夏はこれからです。
綿も大きくなりましたが、他の花も元気です。
一番手の綿も元気ですよ。
ところで、ナツコイ見てますか?
といっても、お昼に放送しているので、お仕事されている方は、ビデオに録画しないと見れないと思いますが。
ナツコイ http://www.mbs.jp/natsukoi/
放送を見ていると、本当に桐生が大自然に写っていますね。実際そうなんですが。
イメージというのか、見ている方がどの程度の認識でこの町を見ているのか一寸興味があります。
もちろん映像どおりの町なのですが、自然もあるし、古い町並みも、伝統的な桐生気質もありますし、それでいて盆地や山間部にいるとは思えない雰囲気もあり、電車の駅もたくさんあります。(あまり利用しませんが・・)
とにかく変わった町です。この環境と雰囲気がそっくりな町は多分無いと思います。
織物で栄えた時期は過ぎて、その遺産がたくさん残っています。地域経済は確かに大変な状況ですし、高齢化も他の地域に比べて抜きに出ているでしょう。
それでも、新幹線も高速も通らないこの町が私は好きです。時代に取り残されているとも思いません。
どこもかしこも同じような都会的な町になったらつまらないと思いませんか?都会での忙しい毎日に疲れたあなた!どこか懐かしいまち桐生に来て癒されてみませんか?日帰りではなく、出来れば何日か滞在してください。きっと色んな発見があると思います。
これは、私の完全なる思い込みですが・・・日本の未来像というか、本来日本人のあるべき姿とか、そういったヒントがこの地域にまだ残されている気がします。
だから今、他の地域から注目されているのだと思います。
森秀織物 http://www.morihide.co.jp/
織物参考館“紫”ゆかり http://www.morihide.co.jp/yukariNEW/indexYK.html
WFCわたらせフィルムコミッション http://www.watarase-fc.com/
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