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2008年05月27日(火)更新

織物の組織・日本の着物

 

織物とは、編みとは違い、長さを揃えた経糸を整えて、そこに緯糸を色々な組織で織り込んだものです。
 主に、熱帯から温暖な地域に織物文化が広がっており、寒冷地ではニット文化が中心となります。

 基本的な織り組織は3つあり、平織り・綾織・朱子織があります。
 平織りは、経糸と緯糸が一点毎に交差した、単純な組織です。安いハンカチ生地などに見られ、細い糸であれば透け感もあります。ただし、摩擦に強いのですが、糸が太ければ硬い風合いになります。(涼感があります。)
 
 綾織りは、あらかじめ設計した数の経糸を飛ばして、緯糸を数本以上織り込んでいくもので織りあがった生地を見ると斜めに組織点がはっきりと識別できます。
 平織りより、風合いがあり、しなやかな生地になります。(デニム生地など)
 
 朱子織とは、専用の織機(ドビー・ジャガード)により、組織点を飛ばし経糸を露出しまたは、緯糸を数本以上織りこんで、光沢感とドレープを表現できる生地になります。
 シルク製品・和装など、高級な生地に使用されています。

 皆さんも、お家に虫眼鏡などありましたら、洋服の組織がどうなっているのか、観察してみてください。皆さんの高級ネクタイは朱子織になってますか?
 スーツ・Yシャツでも、ブランド、価格帯によって生地が使い分けられています。
色・デザインの見た目だけでなく、機能性・価格にも影響する生地も、気にしてみては如何でしょうか?
 驚いた事に、全く伸縮性のない平織りの生地でパンツが販売されているのを発見した事もあります。あまりに安かったので、冷やかし半分に購入して試してみましたが、想像通り最悪なハキゴコチでした。何故この製品は安いのか?自分の使用する環境・気候に適しているかという視点も面白いですよ。

 日本の宣伝を兼ねて付け加えると、この国で作られた天然繊維で、製作された織物生地が一番この国の気候風土に適していると思います。そうです、着物です、四季があり、多湿なこの国で冷暖房設備もなく暮らしてきた先人の知恵の結晶がわが国の着物です。残念ながら、ライフスタイルの変化で少量生産となり高級品になりましたが、夏物(クールビズ?)もあり、季節に合わせて着こなす事もできます。
 たまには、着物でお出かけなんて如何ですか?女性だけでなく、男性の着物姿もかっこいいですよ!

 このまま、原油高が続き、または原油が枯渇してきて、自然環境では温暖化が止まらず、日本の国際間での経済力が弱くなり、各種の原材料がうまく輸入できなくなってきた30年後の日本で、普段着は着物を着ているかもしれませんね、自給自足で繊維製品を作るとそうなります。天然繊維で(絹・綿・獣毛・植物性繊維)、エコロジー(大事にすれば何十年も着れます)ですし、デザイン(洗練かつ斬新で飽きません)も古びず、普段着で販売すれば安くなるので最高ですね。

 因みに、組織が細かくてよく解らず、織物か編み物かも解らないときは、両手で生地を軽くつまんで引っ張ってみてください。感単に伸びるのが編み物。弱い力では伸びないのが織物です。

 次回は、シルク・正絹のお話です。


 
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